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2024年08月07日

老前期と老中期の違い 老真最中8

話を老前期と老中期の違いに変えよう。この違いの主な一つは、金銭収入の有無・多少である。前期には、金銭収入の有無・多少が、老期以前のように人生上の中心テーマの一つであるのとは異なって、中心テーマから降りることが広く見られる。それでもある程度の金銭収入があるのが通例だ。たとえば老期以前のように数百万円の年収が、老前期に入るとガクッと減って100万円内外に落ちる。老前期には、年金を受給する人が多いが、その額が低すぎて、ある程度の収入を確保することが必要な人が多い。そうではなくて、勤務先の必要、あるいは本人のやりがいから、収入のある仕事をすることも多い。
だが、老中期に入ると、年金などを除けば、働いて得る収入は、限りなくゼロに近づいていく。そして、人生上の中心テーマが、自立して生活を送ることができるかどうかに移っていく。本人の存在価値の中心の一つであった金銭収入が、自分のことは自分でできるかどうか(生活自立)ということへと徐々に移行していく。また、金銭関係なしに社会とのつながりを持ちつつ、社会や他者に対して貢献していけるかどうかが重要になる。
生活自立には、食事(食事づくりと摂取)、衣服の管理(洗濯を含む)・着脱、住宅の維持管理(電気製品の維持修理、購入、清掃などを含む)などがあるが、その多くは家事といわれてきたものだ。他に、金銭管理(通帳管理、収支管理など)、健康維持・身体管理(入浴、歯磨きなど清潔管理、排せつ管理など)などはイメージしやすい。それらが難しくなると、要介護要支援といわれる介護保険対象になってくる。また、要介護要支援にある人への援助(多くは老々介護)が、この時期にあってそれ以前と同様に求められることも多い。
これらに加えて、メディアの利用、他者とのコミュニケーション、外出移動が自分でできること(自家用車・公共交通機関の利用、徒歩移動)の程度や有無などが焦点になってくる。それには、自分でできるかどうかだけでなく、バス・タクシー、そして第三者を活用できるかどうかが重要になってくる。たとえば、バス・電車に乗ることは、路線・停留所・時刻表を活用できるほどに知り、切符や高齢者パスなどを使えるかどうかなど、それ以前では困難を全く感じなかったことへの対応が必要になる。
これらに加えて、自分なりの生きがいになる諸活動をやっていくことがある。こうしたことは、金銭的「有効性」が低いとしても、人々とともに生きる上で不可欠なことだ。こうしたことが困難になってくると、老の後期に入ってくるといえるかもしれない。
 このように、老の時期区分は、年齢による区分よりも、金銭収入、自立生活、要介護要支援の有無・程度、人間関係の程度などによるといっていいかもしれない。

老前期と老中期の違い 老真最中8

写真は本文にかかわりなく、夕焼雲



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Posted by 浅野誠 at 11:13│Comments(0)生き方人生
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