てぃーだブログ › 沖縄南城・人生創造・浅野誠 › 南城玉城近隣 › イノー(礁湖)  中山ガイド12

2023年04月05日

イノー(礁湖)  中山ガイド12

 海岸から数百メートルにわたって、平らな岩盤が続いている。かつてのサンゴ礁が隆起して、地上に顔を出したものだろう。岩盤といっても、とても硬いものではなく、もとは珊瑚なので、上を歩くと、少しずつだが崩れてくる感じだ。そして、珊瑚のかけらでごつごつしていて、素足で歩くと痛さが直撃する。だから、歩く時はサンダルか靴が必須だ。
 だから、本州ではよく見られる遠浅の海岸というのではなく、ずっと同じ高さで続くのだ。その岩は、板干瀬(いたびし)といって、板状になっている。高波が来た時、その板干瀬の上をいっきにやってきて危険だとのことだ。その岩の間には砂が入り込んでくる。干潮の時、そこが水たまり状になり、魚や小動物が棲息する。観察に絶好だ。
その板干瀬の間に、溝があって水路を形成することもある。中山の海岸でも、奥武島との間に水路がある。この水路は、新原の水路やヤブサチの浦原と言われる水路とならんで、船も通れるようなところだ。今は漁船や観光向けのグラスボートが通るくらいだが、1000年ほど前には、交易のための重要な水路だった。
 この水路は、離岸流が発生するとても危険なものだ。満潮のピークから引き潮が始まる時に発生する急流に巻き込まれて災難にあうのだ。沖縄での海洋レジャーで亡くなる人の多くは、離岸流のためという最新ニュースが流れた。
 1万年以上前から重要な食材としてイノーで魚介類をとっていた。ジュゴンも来ていた。今も動植物が多い。ルリスズメなどの色鮮やかな魚、ヒトデ、ナマコ、海藻などが多い。しかし、珊瑚は見られない。ソフトコーラルに時々気づくぐらいだ。
旧暦3月3日の浜下り(はまうい)は、女性たちがここに出て海産物を取り、楽しむ日だ。今でも、その時になると,人出が多い。しかし、近年では動植物の減少が著しいようだ。最近では、ナマコの減少が目立つ。隣の新原では、沢山の人出があって、養殖からあふれ出たモズクを取ることが、4~5月の大潮時に行われるが、中山のイノーまではモズクは届かない。春には、岩の上でアーサ(アオサ)が成長し、収穫できないこともない。ただ、アーサで岩が滑りやすくなるので、要注意だ。
 魚が多いので、満潮時には磯釣りをする人が結構いる。時々、網で小魚を取る人もいる。魚目当ての鳥たちも多い。常時、沢山の鳥がこのあたりを飛び回っている。一番多いのは、チドリ・サギだ。
 イノーで不発弾が発見され、爆破処理のために立ち入り禁止になったこともある。
 字玉城の海岸には、高さ3mを越す大きな岩があり、風情をつくっているが、字中山の海岸にはない。

 イノーの先端は、急に落ち込み、深海に至る。その急な崖あたりに生きた珊瑚礁が発達し、美しい熱帯魚が多く、グラスボート観光のスポットになっている。グラスボートは、奥武島と新原から出ている。

イノー(礁湖)  中山ガイド12





同じカテゴリー(南城玉城近隣)の記事
畑  中山ガイド9
畑  中山ガイド9(2023-03-18 09:09)


Posted by 浅野誠 at 15:40│Comments(0)南城玉城近隣
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。