2025年03月23日
英知 老熟 鈴木秀子本を読む
鈴木秀子「よりよく老いる 92歳のシスターの心豊かに生きるヒント」大和書房2024年を読む。多くの点で、私の考えと響き合う。異なる点は、終章に書かれているシスターとしての生き方をめぐる点だろう。
だが、私より15歳年長なので、私には未踏の80代90代の体験が書かれていて、参考になる点が多い。とくに、最近私が関心をもつ「英知」というもののイメージを示唆してくれる点が有効に感じる。そんな個所をいくつか紹介しておこう。
「老年は自分をゆっくり熟成させる時間です。」p26
私がいう「老熟」とぴったりだ。
「自分の中にある知恵を英知に深める学びのときなのです。」p26
「良いか、悪いか。そんなふうに、人は物事を二分して見ようとするものです。でも、二分して見てしまうと、ものの見方が狭くなります。多面的な見方ができないせいで、良いはずのものも悪いものにしか見えなくなり、結果的に自らを成長させられず、幸せにすることができなくなります」p49~50
多面的な見方は、老熟のなかで育っていくという私の考えと重なる。老人になると頑固になるとは対極的な発想だ。以下の文は、老人期以上に、中年期、さらには若年期に重要なものだろう。
「経験知や知恵にこだわりすぎると、執着になります。英知として昇華するどころか、自らを縛る枷になってしまいます。」p101
「こうあるべき」という執着を手放す練習をしておく。」p103
「「お任せの気持ち」を養う練習は、何でも今まで上手くやってきた人ほどむずかしいかもしれません。」p103
「他人を許せない人は自分自身を許せないひとです。」p103
溜息を嫌っていた私には、次の発言は刺激的だ。
「ため息をつこう (中略)ふだんから「吐き出す」ということを意識しましょう。」p113
さらに「寂しさからの脱出」を求めてきた私にとっては、衝撃的な発言にも出会う。
「「寂しさ」が人を成長させる」p147
死との向き合い方についての、次の発言も学ぶところ大だ。
「死の直後は、励ましより感情をただ受け止めてあげることが一番大切です。」p59

写真は本文にかかわりなく、咲き乱れるメイフラワー
だが、私より15歳年長なので、私には未踏の80代90代の体験が書かれていて、参考になる点が多い。とくに、最近私が関心をもつ「英知」というもののイメージを示唆してくれる点が有効に感じる。そんな個所をいくつか紹介しておこう。
「老年は自分をゆっくり熟成させる時間です。」p26
私がいう「老熟」とぴったりだ。
「自分の中にある知恵を英知に深める学びのときなのです。」p26
「良いか、悪いか。そんなふうに、人は物事を二分して見ようとするものです。でも、二分して見てしまうと、ものの見方が狭くなります。多面的な見方ができないせいで、良いはずのものも悪いものにしか見えなくなり、結果的に自らを成長させられず、幸せにすることができなくなります」p49~50
多面的な見方は、老熟のなかで育っていくという私の考えと重なる。老人になると頑固になるとは対極的な発想だ。以下の文は、老人期以上に、中年期、さらには若年期に重要なものだろう。
「経験知や知恵にこだわりすぎると、執着になります。英知として昇華するどころか、自らを縛る枷になってしまいます。」p101
「こうあるべき」という執着を手放す練習をしておく。」p103
「「お任せの気持ち」を養う練習は、何でも今まで上手くやってきた人ほどむずかしいかもしれません。」p103
「他人を許せない人は自分自身を許せないひとです。」p103
溜息を嫌っていた私には、次の発言は刺激的だ。
「ため息をつこう (中略)ふだんから「吐き出す」ということを意識しましょう。」p113
さらに「寂しさからの脱出」を求めてきた私にとっては、衝撃的な発言にも出会う。
「「寂しさ」が人を成長させる」p147
死との向き合い方についての、次の発言も学ぶところ大だ。
「死の直後は、励ましより感情をただ受け止めてあげることが一番大切です。」p59

写真は本文にかかわりなく、咲き乱れるメイフラワー
Posted by 浅野誠 at 08:45│Comments(0)
│生き方人生