2025年03月07日
アイデンティティとナショナリズム 沖縄随想10
前回書いた支配従属関係における差別が展開する際に結びつきやすい考え方はナショナリズムである。戦前日本でいうと、天皇制イデオロギーの形をとることが軸をなした。戦後においては米支配(アメリカ帝国主義支配といわれる)に対抗するために、日本の独立を求める日本ナショナリズムが醸成される。沖縄は、この米日の関係と米軍支配(=統治)のなかで、そこから抜け出て日本統治下に戻る「日本復帰」を求める運動が大規模に展開される。それは日本ナショナリズムと結びつくものではあるが、天皇制ナショナリズムではなく、平和と米軍基地撤去を求めるものとして展開していく。そのなかで、戦前の天皇制ナショナリズムの再来を忌避する言動も広がる。と同時にそのなかで、沖縄ナショナリズムないしは琉球ナショナリズムともいわれる言動も広がり、「沖縄独立」「琉球独立」の主張も生まれる。
だが、それに対して、国家・民族の枠組と直結するナショナリズムでしか、沖縄のアイデンティティを語りえないだろうか、という問いも広がる。そのなかで、「地域」や「エスニック(エスニシティ)」という言葉で沖縄アイデンティティを語ろうとする動きも広がる。
それと同時にアイデンティティを内向きにではなく、外向きに捉える考え方も広がってくる。それは、世界のウチナーンチュという表現に象徴される。さらに、歴史的にいうと、チャンプルー文化という表現に象徴されるが、海外の多様で豊かな文化との交流・共同で、さらには移住(沖縄からの、沖縄への)というなかで形成されてきたのが、沖縄アイデンティティだととらえるのだ。それを近年世界的に広がっている考え方でいうと、多文化主義としてのアイデンティティであろう。

写真は、本文にかかわりなく、くっついて眠るニジとアメ
だが、それに対して、国家・民族の枠組と直結するナショナリズムでしか、沖縄のアイデンティティを語りえないだろうか、という問いも広がる。そのなかで、「地域」や「エスニック(エスニシティ)」という言葉で沖縄アイデンティティを語ろうとする動きも広がる。
それと同時にアイデンティティを内向きにではなく、外向きに捉える考え方も広がってくる。それは、世界のウチナーンチュという表現に象徴される。さらに、歴史的にいうと、チャンプルー文化という表現に象徴されるが、海外の多様で豊かな文化との交流・共同で、さらには移住(沖縄からの、沖縄への)というなかで形成されてきたのが、沖縄アイデンティティだととらえるのだ。それを近年世界的に広がっている考え方でいうと、多文化主義としてのアイデンティティであろう。

写真は、本文にかかわりなく、くっついて眠るニジとアメ
Posted by 浅野誠 at 17:22│Comments(0)
│沖縄