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2024年04月26日

(続)学級集団づくりをめぐる社会構図の多面にわたる変容 学級集団づくりの再構築期10

 (前回からの続き)
〇 合計特殊出生率の低下に象徴される子ども数の減少が、「ショック」なこととして社会問題に登場し始めたのは1980年代のことだった。そこには子産み子育ての難しさが反映し、これまでの社会慣習を大きく塗り替えるものとなっていく。子ども減少は、数年もたてば、子ども間つながりの希薄化、子ども集団の小規模化・消滅などにつながっていく。
また、その反映の一つとして学級人数の減少があり、文教政策がからむことだが、30~50人から20~40人へと移っていく。
〇 以上の動向は「国内問題」だけでなく、グローバルな動向とつながって展開していく。その一つは、海外からの移住者が増大し、教室の中の「南北問題」が新たな形で拡大していく。当初は、「日本への同化」を軸にした対応であったが、徐々に「多文化」としての対応の必要が先進的な人々の中で主張され始める。 
〇 地球環境の悪化が、グローバルな取り組み課題となり、「持続可能」が重要なキャッチフレーズになっていく。子どもたちが成人になった10~20年後に予測される悪化状態を憂え、それを防ぐ論調が高まる。 
〇 世界の政治経済情勢の劇的変動が80年代末から進行していく。代表的には、旧ソ連圏の崩壊であり、経済上のバブル崩壊である。先進国における大量生産大量消費の経済が変容を迫られていく。
〇 子どもの権利条約に代表される諸権利や諸原理をめぐる新たな動向が多分野で広がる。ジェンダー・女性、 LGBT、多文化主義、開発教育、平和教育・軍縮教育など、子どもと教育をめぐる新しい動向が時代変化と並行して広がっていく。
〇 社会の構造的変化は、子どもたちの社会階層上の変化を伴う。とくに格差を新しい形で広げていくことが注目される。そうした状況を分析する研究と課題提起が、ブルデューやバーンステインなど欧米の研究にみられるが、階層上昇競争から脱落防止競争への転換が顕著になる80年代の日本でも、研究と問題提起が広がり始める。それは、競争重視が生み出す問題構造に対抗し、つながりや共同を強調する主張となっていく。
〇 この間、民主主義的な社会運動にも多様な展開の蓄積が見られた。たとえば統一戦線の展開、ネットワークの形成、生活の共同化の進展などがそうであるが、そうしたものが学級集団づくりの展開に新たな刺激と知恵を与えていく。

(続)学級集団づくりをめぐる社会構図の多面にわたる変容 学級集団づくりの再構築期10

写真は本文とかかわりなく、クミスクチン(ねこのひげ)



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Posted by 浅野誠 at 16:24│Comments(0)教育子育て
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