何を「第一に」「優先」するか 連載「私の常識」26

浅野誠

2025年02月10日 11:35

 日々の暮らしの中で、何を「第一」にするかは、人生ステージで大きく変化してくる。その候補としては、学業・家事・世話・交友・職業(収入目的)・職業(非収入目的)・会社などの組織・趣味・スポーツ・テレビ視聴・音楽鑑賞演奏・旅・政治・軍事・宗教・ボランティアや地域貢献・金・家族・子ども・自然・健康病気、さらには平和、命、安全安心など、いろいろとある。
 でも、一つに絞り切れないことも多かろう。多様な分野を順番なしに、並列してつながりあって選ぶこともあろう。一つに絞ることで、他を犠牲にして矛盾を起こすこともあろう。だから「第一に」ではなくて、「ベストスリー」にすることもあろう。あるいは加齢とともに、たくさんある大切なものが絞られてシンプルになり、「優先」するものが少なくなっていくかもしれない。そしてこれらの入れ替わりが人生変化を生み出し、変化が人生の楽しみを増すかもしれない。
 私の場合の、「第一」「優先」候補を、人生後半期の三つのステージで描いてみよう。
50代前半  研究活動 健康病気 職業(収入目的) 
60代後半  研究活動 趣味スポーツ 職業(非収入目的) 地域活動
70代後半  研究活動 世話・家事 家族・人づきあい
 まもなく来る80代になったら、これらはどうなるだろうか。70代までのように、目標をもって活動を計画的にすすめることを前提にして、日常の諸活動を並べるのではなく、心・身体などの比重が高まっていくような予感がする。
 自然な流れに身を委ねる「超越」のステージに入っていく人、入っていきたい人が増えていくだろう。そして、安心安全安寧、穏やか、さらに親睦・平和を願うことなども増えていくだろう。
 今回で、この連載を閉じることにする。



写真は本文にかかわりなく、いっしょに食事するニジとアメ

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