海岸と防風林 中山ガイド10

浅野誠

2023年03月24日 18:38

畑地の端と海岸との間には防波堤と防風林がある。防波堤がいつ設置されたか、私は知らない。防波堤がない時代には、高波が畑にまで侵入して来ただろう。私が住み始めてからでも、水路を逆流して流れ込んだ海水が畑に浸水した記憶がある。そうしたことを防ぐために、最近、水路の改良工事が行われ、安全度が高まることが期待される。
防波堤の手前にある防風林は、モクマオウやユウナなどの樹木が多い。防波堤の上は、幅2メートルほどあって、遊歩道状態になっているので、散策する人が多い。中山の人もいるが、隣接する奥武・志堅原・玉城・新原あたりから歩いてくる人が多い。時に観光客も見かける。
防波堤は、海岸に向かって階段状に作られている。十数段あるはずだが、下の方は砂で埋まっているので、正確に何段あるか、私は知らない。そこに、グンバイヒルガオやツルナ、そしてモクマオウなどが生えている。中山集落センターにつながる個所、玉城集落につながる個所には、海岸に出入りできる通路も作られている。通路以外にも、人が頻繁に通ることによる通路もある。東側の奥武・志堅原に近い所には、植樹記念に作られたミニ公園めいたところもある。
階段状の個所でテントなどを張って楽しむ人も週末などには多い。
防波堤の階段と岸の間は砂浜だ。珊瑚のカケラが砂になったもので、真っ白だ。年々少しずつ増えているような印象を持っている。満潮の時は、階段部分まで水に浸かるが、干潮の時には、幅数メートル以上の砂浜になる。60年位前には、中山の青年たちは、ここでトレーニングをして、村の陸上競技大会で好成績を得たという話が伝わっている。
砂浜には、大量のヤドカリがいる。1メートル四方に百匹を越す程いる。海岸に遊びに来た子どもたちは、ヤドカリに夢中になる。貝殻や珊瑚のカケラにも美しいものが多い。
この砂浜で、ウミガメが産卵するとも言われ、そこから生まれてくる子亀を観察しようとしていたグループもいた。私はそこまで見たことはない。ヤドカリ以外にカニも多く、足跡を簡単に見つけることができる。ある時、見慣れないものを、砂浜で見つけたので、捕まえて引っ張ったらちぎれた。よく見るとタコの足だった。すぐ先の岩の間にはタコが多いらしいが、海岸にもいるとは驚きだった。タコ取りの人は、よく取りに来るらしいが、場所は極秘のようだ。
海岸を掘って、アサリを取る人も時々いる。満潮の時には、海岸きわまで魚が泳いでくるのが見える。満潮時には、磯釣りをする人が多い。



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