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2024年04月15日

能力主義的序列競争秩序と市場大衆文化の支配・影響の拡大 学級集団づくりの再構築期8

前回10日記事に述べたように、1980年代以降、自生的子ども集団が縮小消滅し、多様な文化特性に分化した子どもグループが学級に併在するようになる。そのなかにあって、子どもたちの共通特性を生み出そうとするものをあげるとすれば二つの秩序・文化がある。一つは、能力主義的序列競争秩序であり、もう一つはマスメディアを介しての市場大衆文化である。この各々に対して、子どもたちがどういう位置をとり態度をみせるか。積極的迎合か、対抗し、別のものを模索するか、消極的避難・脱落か、そこには多様なものがある。これらの違いは、多彩であるというよりも、秩序・支配・強力な影響力に対しての態度の取り方の違いともなる。なかには、この二つと断絶するが、他のものを見いだせず、孤立を選ぶしかない子どももいる。
ここで、1991年10月に三重生研で行なった私の講演で紹介した、「はずれている子ども」のいくつかのタイプを紹介しておこう。
(a)おっとり型 タイミングが合わず、乗り遅れてしまっている
(b)存在感希薄タイプ 対他関係の希薄さのための乗り遅れ など
(c)必死に一元的秩序のなかで這い上がろうとするタイプ
(d)特異行動で自己の存在をアピールしようとするタイプ 例 ひょうきん 「ネアカ」をよそおう
(e )突っ張りタイプ
(f)成績上タイプ 学校文化への過剰適応によって、仲間関係からはずれる
(g)特定のものに優れている 学校文化にないものが優れている
これらは、2020年代の現在でも適合する例が結構多いだろう。また、10代後半から20代にかけての進路については、ストレーターコースではなく、そうではない中小企業・零細企業就職、起業、自営業、フリーター、非正規雇用などを選ぶものへと、広がっていく。 

こうして、たとえ非民主的にせよ自生的子ども集団を前提として学級集団づくりを展開するというよりも、子どもたちの間に関係性・つながりを作り、集団的関係を新たに組み立て、コースに乗るよりも自分なりの進路を発見創造する方向へ進ませようとする関わり方が学級集団づくりの中軸に座り始める。

能力主義的序列競争秩序と市場大衆文化の支配・影響の拡大 学級集団づくりの再構築期8

写真は本文にかかわりなく、サンパラソル



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Posted by 浅野誠 at 17:10│Comments(0)教育子育て
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